電池活用技術研究会

 

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白色LED(NSPW500CS)の特性

 


 一般的な白色LEDは、材料にGaNを使った青色LEDの上に、青色光を黄色に変換する蛍光物質を塗ってあります。赤色LEDは1.6V程度で点灯しますが、青色LEDは3.6V程度の高い電圧が必要です(最新の高効率LEDは電圧が少し下がっています)。青色は波長が短いので、エネルギーが高く、発光に必要な電圧が高くなるためです。
 LED(発光ダイオード)は、ダイオード(PN接合で作られていて、順方向には電流が流れ、逆方向には流れない)の一種なので、抵抗と異なり電圧と電流が比例しません。
 ダイオードは、一定以上の順方向電圧で導通し、そこから電圧を少し上げただけで電流が急増します。逆に電流を変化させても電圧が少ししか変わらない、という性質を持っています。そのために、電池に直接接続すると過大電流が流れて(異常に明るく輝きますが)壊れる危険性があります。
 ダイオードは、順方向電圧が温度が高くなるほど下がる性質が有りますから、直列抵抗を入れて電流制限する簡単な回路では、気温が上がると電流が増える→電流が増えると発熱でLEDの温度が上がる→さらに電流が増える、という熱暴走の危険性があります。多数の白色LEDを並列に接続した場合、中央付近の白色LED温度が発熱で高くなり、中央付近の白色LEDの電流が周囲より増える、という電流集中現象が起こります。
 白色LEDを安定に発光させるためには、定電流回路で、電源電圧や気温が変動しても一定の電流が流れるようにする必要があります。

 

使ってはいけない白色LED点灯回路(安価なLEDライトで良く使われている回路)

回路1
 乾電池3本で点灯するLEDライトのほとんどは、白色LEDに直列に電流制限抵抗を入れただけの簡単な回路です。電池が新品の時は明るいけれど、電圧が下がるにつれて電流が急減し暗くなります。
(白熱電球はLEDとは逆に電圧が変わっても電流の変化が少ないという性質が有るので、電池に直接接続しても大丈夫です。)

回路2
 定電流ダイオードと白色LEDをセットで売っていることも多いのですが、下のグラフを見れば解る通り、5V程度の電源電圧では全然定電流効果がありません。

回路3
 3端子レギュレータを流用した定電流回路も(ICのデータブックに載っているので)良く使われていますが、入出力間の電圧ロスが1.5V程度さらに電流検出抵抗の電圧ロスが1.2Vの合計2.7Vの電圧ロスがあるので、新品の乾電池を使った時にしか定電流回路が正常に動作しません(電圧が低いニッケル水素電池を使うと発光しないという製品はこの回路)。
 

定電流ダイオードの特性

使っても良い白色LED点灯回路(安価で実用になる回路)

回路4
 トランジスタを使った定電流回路と、安価なダイオードによる基準電圧回路の組み合わせ。
 小信号ダイオードの順方向電圧は、0.6V程度なので、電流検出抵抗R1の電圧も0.6V程度になります。ダイオードが2個直列なのは、一つがトランジスタのベース・エミッタ間電圧の補償用だからです。

回路5
 ダイオード2個の代わりに、トランジスタ1個を使用した回路。
 TR1のベース・エミッタ間電圧の変動の影響を受けません。

回路6
 電流検出抵抗R1の値を小さくして、電圧ロスを削減出来る回路。
 VR1により、電流の調整も出来ます。TR2のベース・エミッタ間電圧を負帰還回路で増幅して基準電圧を作っています。

 回路4〜回路6は、ダイオードの順方向電圧やトランジスタのベース・エミッタ間電圧を基準電圧に使用しているので、-2.5mV/℃程度の負の温度係数で電流が変動しますが、気温が上がると電流が減少するので安全です。R2の代わりに定電流ダイオード(E-102)を使うと電圧変動の影響が少なくなります(小電流用の定電流ダイオードは実用的性能)。

理想的な白色LED点灯回路(少し高価になりますが)

回路7
 OPAMP(演算増幅器)ICとトランジスタによる定電流回路を使うと、電流検出抵抗の値を低くすることが出来ます(オフセット電圧の低い高精度なOPAMPを使う程、微小な電圧を検出出来るので電圧ロスが少なくなる)。
 基準電圧も精密な基準電圧ICを使うと、温度変化による電流変動が少なくなります。
 コストを問題にしなければ、安価な炭素皮膜抵抗器ではなく、金属皮膜抵抗器を使うとさらに安定度が良くなります。