電池活用技術研究会

 

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外形


 10LEDの“スーパー光るっち”は単四電池なので、小型軽量ですが、この大きさでは明るさが限界です。そこで少し大きくなりますが、単三電池4本でLEDをさらに倍増してパワーアップすればどれだけ明るくなるか挑戦してみました。7×3の配列にしたので、20個ではなく21個のLEDです。
 日亜化学から新型の高出力(70mA)LED(NSDW570GS-K1)が発売されているので、さっそく活用しました。NSDW570GS-K1は照射角が広角(140度)なので、従来のLED(NSPW500GS-K1照射角15度)と併用して、遠くも近くも明るい理想的な配光特性が実現しました。
 NSDW570GS-K1は周辺部の4個しか使用していませんが、従来のLEDの3倍の電流で発光効率も高くなっているので、総合的に“スーパー光るっち”の約3倍の光量と推測出来ます。

 


“スーパー光るっち”で苦労したLEDの穴開けは、高速回転ドリルならひび割れ無しにスパッと穴が開くかもと想像して、4500rpmの高速回転電気ドリル(手持ちでは振動が大きいのでドリルスタンドも必要)を仕入れて、挑戦したところ、大成功。

内部の構造 (2011年11月1日完成)

解説

 合計LED電流は最大で800mA程度流せますが、2000mAHのeneloopで3時間連続点灯出来るように
強の設定の電流値を660mAに調整しました。電流が大きいので、アルカリ乾電池よりニッケル
水素電池が適しています。中の設定では3倍の9時間連続点灯出来ます。弱の設定でも、ろうそく
代わりの明るさはあり、24時間連続点灯出来ます。中や弱の設定ではアルカリ乾電池でも十分
使えます。


 スイッチの切り替えで3段階に明るさが変えられます。
    ウルトラ光るっち スーパー光るっち   光るっち
  強: 660mA        270mA         140mA
  中: 220mA        90mA           70mA
  弱:  73mA        30mA          35mA

 基本設計は“光るっち”と同じで、OPAMPと基準電圧ICによる正確な定電流回路を使用して
いますから、電池容量が無くなる直前まで明るさが一定です。スイッチング式ではないので、
雑音の心配もありません(OPAMPと基準電圧ICが発生するわずかな熱雑音はあるので、小型の
携帯ラジオ(の内蔵アンテナ)に密着させるとノイズが入る場合があります)。
 個々のLEDに定電流駆動用のトランジスタが付いている理想的設計が“光るっち”シリーズの
特徴なのですが、21個のトランジスタを組み込むのが大変なので、今回は立体配線をしました。
基準電圧ICは従来の高価な専用品から、安価なCMOSの3端子レギュレータに変更しました。

 警報音付非常用携帯LEDライトで使用した市販の単三電池4本の電池ソケット付きのケースは、
サイズが大きすぎ、単三電池4本の電池ソケットがピッタシ入る市販のケースもなかなか見つから
ないので悩んでいたのですが、電池ソケット用の電極版単体で売っているものを見つけたので、
長年の悩みが解決しました。ご覧の通り、全部品がほぼピッタシ収まるケースの大きさです。
 一応、ポケットに入る大きさに収まりました。重さは“スーパー光るっち”の2倍になりました。

 ケース外形寸法:60×24×120mm eneloop使用時重量:約190g(重さの半分は電池)

 これで“光るっち”3兄弟が完成しましたが、常時携帯するLEDライトとしては“スーパー光るっち
が小型軽量で優れていていて、災害時や業務用のLEDライトとしては“ウルトラ光るっち”が優れて
いる、という感じですね。“ウルトラ光るっち”の明るさは、停電時に広い部屋の中で作業する時に
大いに役立ちそうです。夜道を歩く時、晴天の時は“光るっち”で十分な明るさですけど、雨で道路が
濡れていると地面の反射率が低くて足元が暗くなります。“ウルトラ光るっち”なら、そんな場合でも
地面が鮮明に見えて、水たまりを避けられますね。悪天候時に威力を発揮します。

明るさ比較

 市販の激安のLEDライトを入手したので、スーパー光るっち”と共に明るさを比較してみました。
激安のLEDライトは9個のLEDを直接並列接続して、1Ωの直列抵抗を加えただけの回路で、単四
アルカリ電池3本で点灯します。電流を測ると過大電流気味ですが、全然明るくありません。
 
ウルトラ光るっちを基準にカメラの露出を調整しているのと、比較のため少し遠くを照ら
しているため、
スーパー光るっちがあまり明るくないように写っていますが、通常の使い方
では
スーパー光るっちも十分明るいです。
 

 ネットで検索すると、パワーLEDと反射鏡や集光レンズを組み合わせた強力LEDライトが多数販売されていますが、そのようなライトは指向性が強過ぎますし、目で直視すると非常に危険です。そして安全性を高めるために拡散板を前面に追加すると、今度は指向性が無くなって遠くを照らせません。
 “ウルトラ光るっち”は、小出力のLEDを多数並べているので光源の面積が広く、目で直視したときの安全性が高くなります。反射鏡を前後して指向性を調節するライトと違って、広角と挟角のLEDが同時点灯していることも大きな利点です。