電池活用技術研究会

 

前頁 (5LED 明度3段切換)高性能ポケットLEDライトの製作 次頁

外形

乾電池の応用製品の代表は懐中電灯ですが、
今では、豆電球より遥かに長寿命で、明るさでも優れている
超高輝度白色LEDが入手出来ます。
ほとんどの市販LEDライトは、海外製の安価なLEDと簡易な制御回路で作られていて、品質・性能が劣ります。
国産の超高輝度白色LEDを5個使って、明るさを切り替えるスイッチも付け、携帯に便利で明るく実用的なLEDライトを作ってみました。 一般的な円筒型より、この形の方がポケットに入れて常時持ち歩くのに便利です。使用電池は単4型4本です。
参考資料: 単四アルカリ乾電池の容量テスト

内部の構造 (2007年製作)

解説

 小型の白色LEDは、1個では明るさが十分では無いので、5個使用しています。
 1WのパワーLEDを使うと1個で済みますが、放熱板が必要で、大きなケースが必要になります。
 小型の白色LEDは、パワーLEDよりも発光効率が高いので、小型の白色LEDを複数個使う方が、
 同じ明るさでも、消費電力を少なくすることが出来ます。国産(白色LEDの発明者の日亜化学製)の
 超高輝度白色LEDを5個使うと、懐中電灯として十分な明るさが得られます。

 小型の白色LEDは、標準電流が20mAですが、最大定格の30mAまで設定出来るようにして、
 この大きさで最大限の明るさを得るようにしています。
 スイッチの切り替えで3段階に明るさが変えられます(余裕を持たして、28mAに調整してあります)。
  強:LED電流=28mA (合計140mA)
  中:LED電流=14mA (合計70mA)
  弱:LED電流=7mA (合計35mA)

 小型の白色LEDの順方向電圧は、最大で4V程度なので、乾電池やニッケル水素電池の4本直列で
 駆動出来ます。安価(で粗悪)なLEDライトには、電池3本直列で、電流制限用にLEDに直列に抵抗を
 接続しただけ、というものがありますが、電池電圧の変化によって明るさが大きく変動します。

 LED(発光ダイオード)は、電球と異なって、電池に直接接続すると過大電流が流れて壊れます。
 安定に動作させるためには、定電流回路で、電池電圧が変動しても一定の電流になるように制御する
 必要があります。
 白色LEDの順方向電圧は、同じ型番の製品でも、バラつきが大きいので、直接並列に接続すると
 電流値が均一になりません(一部のLEDに電流が集中して壊れる危険性があります)。
 5個の白色LEDの各々にトランジスタによる定電流回路を付けて、均一な電流が流れるようにしています。
 定電流回路の電圧損失を少なくするためには、電流検出抵抗の値を低くして、OPAMPと基準電圧ICに
 よる精密な制御回路が必要です。(粗悪なLEDライトの製品では、可変電圧3端子レギュレータを応用した
 定電流回路を使用したモノがありましたが、それでは電圧損失が非常に大きくなります。)

 LEDの定電流制御回路としては、複数のLEDを直列に接続して(電流を均一化し)、昇圧型スイッチング
 レギュレータで駆動する方式もよく使われていますが、ラジオの傍で使うとスイッチング回路の雑音が
 入ります。この回路では、トランジスタによるアナログ制御なので、雑音が発生しませんから、ラジオと
 一緒に使っても大丈夫です。昇圧型スイッチングレギュレータは効率が悪いので、効率の向上にも
 あまり役立ちません(電池の本数を減らす目的には役立ちます)。

 照明用LEDは定電流回路で駆動されているので、電池電圧が下限に下がるまで明るさが一定なので、
 電池の消耗度が解りません。そこで、電池電圧の低下に応じて明るさが減少し、下限電圧になると消灯
 する電池電圧モニターLEDをサイドに付けてあります。電池電圧モニターLEDが消灯しても、自動的には
 電源が切れないので、しばらくは明るさが不足しますが、使用出来ます。アルカリ乾電池は過放電すると
 液漏れし易いので、電池電圧モニターLEDが消灯している場合は、早めに電池を交換した方が良いです。

用途
 安価に販売されている通常の懐中電灯型のLEDライトよりずっと明るいので、夜間外出時の携帯用ライトに最適ですが、(プロ・アマ)カメラマンの方に特にお薦めです。カメラの設定のために手元を照らす時には、弱にして周囲に迷惑がかからないように出来ますし、強にすればAF補助光として役立ちます。

使用LED
 製作したのは2007年で、白色LEDは、日亜化学のNSPW500CS b2U(15500〜22000mcd IF=20mA)を使用していましたが、最新(2010年5月現在)のNSPW500GS-K1 b2W(31000〜44000mcd IF=20mA)に交換しました。同じ消費電流で明るさが2倍になったので、実用性がさらにアップしました。
 LEDに直列抵抗を入れただけの簡易回路だと、電池電圧が最大(新品)の時に過大電流で壊れないように、通常使用時の電池電圧では電流が少なめに設計する必要がありますが、このLEDライトは高精度の定電流回路を使用しているので、常時最大定格ぎりぎりの電流を流すように設計することが出来ます。
 
回路図
 回路図は、研究室(無料の会員登録で利用可能)でダウンロード出来ます。

2台目 (2010年製作)
 

外形はほぼ同じ。
内部は、使用部品が少し違っています。
機能・性能は同じです。

2台目を元にして作成した、ポケットLEDライト取扱説明書

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