電池活用技術研究会

 

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電池の基礎知識
 電池は基本的に、乾電池のように充電出来ない電池と、ニッケル水素電池のように充電出来る電池に分類されます。充電出来ない電池を一次電池、充電出来る電池を二次電池と呼びます。
 <乾電池の種類>
 安価なマンガン乾電池は、時々短時間使用する懐中電灯等に使用して、間欠放電すると長持ちする性質があります。アルカリ乾電池は、連続放電する場合、マンガン乾電池より容量が大きくなります。
 デジタルカメラで単三乾電池が使用出来る製品がありますが、アルカリ乾電池は大電流放電をすると極端に寿命が短くなり、消費電流の大きいデジタルカメラにアルカリ乾電池を使用すると短時間しか使用出来ません。
 <二次電池の種類>
 古くから使われている鉛蓄電池は安価で大容量ですが、重いので、主に自動車に使われています。
 家電製品用の充電式電池として最初に登場したニッケルカドミウム(NiCd)電池は、内部抵抗が低く大電流の放電が可能なので電動工具に適しています。その後登場したニッケル(NiMH)水素電池は、ニッケルカドミウム電池と電圧や充電方法が似ていて、より大容量化されましたから、ニッケルカドミウム電池はあまり使われなくなりました。しかし、大容量のニッケル水素電池は、使用しないで放置した時の自己放電が多いという大きな欠点がありました。最近登場したSANYOのeneloopは、通常のニッケル水素電池より少し容量が小さくなりましたが、自己放電が激減したので、ニッケル水素電池の欠点が解消されました。
 SONYが実用化したリチウムイオン電池は、当初ニッケル水素電池より容量が大きいのが利点でしたが、ニッケル水素電池も大容量化が進んだために、容量の差は少なくなりました。しかし、リチウムイオン電池は、ニッケル水素電池より軽いのが大きな利点です。単セルの出力電圧もリチウムイオン電池は、ニッケル水素電池の3倍くらいあるので、ニッケル水素電池を使用した機器が2〜4本直列で使用するのに対して、リチウムイオン電池は1〜2セル直列ですみますから、かなり軽量化出来ます。
 リチウムイオン電池は、満充電のまま長時間放置すると寿命が短くなると言う欠点があります(90%ぐらいの充電で使用した方が寿命が長くなります)が、ニッケル水素電池はその問題が無いので、eneloopのような高性能ニッケル水素電池は、リチウムイオン電池より寿命が長いかもしれません。メーカーの公称充放電回数は、短期間に連続して充電と放電を繰り返した場合の寿命ですので、長時間使用による劣化の分、実際の充放電回数は少なくなります。

充電方法の基礎知識
 ニッケルカドミウム電池とニッケル水素電池は、急速充電する場合、満充電が近づくと電圧の上昇がと止まり、さらに充電を続けると電圧が少し低下していくので、この電圧低下(儼)を検出して、充電を停止します。ニッケルカドミウム電池は、儼の値が大きいので急速充電器を作り易いのですが、ニッケル水素電池は、数mVの微小な儼の値を検知して充電を停止しないといけないので、高信頼度の急速充電器を作るのが難しくなります。
 しかも、充放電を繰り返して劣化したニッケル水素電池は、充電初期に電圧が低下する現象が現れるので、安価な充電器はそこで充電を止めてしまうのでエラー表示されて(まだ使える電池が)充電出来なくなります。高性能な充電器はこの誤検知を回避するように工夫されています。
 リチウムイオン電池や鉛蓄電池は、定電圧定電流電源で充電電流と充電電圧の上限を一定にするだけで充電出来ますから、充電器の製作は楽になります。但し、 リチウムイオン電池は充電電圧の上限の誤差が大きいと過電圧で電池が壊れる危険性が有り、燃えやすい電解液を使っているので発火事故の危険性もあります(添加物を加えて燃えにくくする研究も行われているようです)。
 安価な充電器は、電池温度のセンサーが付いていないので、電池が異常発熱した場合に充電を停止することが出来ません。安全な充電器を作るためには、電池温度のセンサーが必要です。

電池と充電器の用語
 電池の基本的な性能は、電圧と容量で表示されます。
 電圧の単位は、V(ボルト)です。乾電池の電圧は1.5Vですが、これは初期電圧です。一般的なリチウムイオン電池は3.6〜3.7Vですが、これは放電期間の平均電圧に近い値です。習慣的に電池によって、電圧の表示の基準が異なります。
 一般的に電池の容量の単位は、小型の電池はmAH、大型の電池はAHが使われます。m(ミリ)は1000分の1です。A(アンペア)は電流の単位、Hは時間です。つまり、(電流)容量=放電電流×放電時間です。
 電池の容量は放電電流の値が大きいと、内部抵抗などによる損失が大きくなって、減少してしまいます。表示されている容量は、低電流での放電での値です。
 電池の種類によって電圧が異なるので、電流容量(AH)では種類の異なる電池の容量の比較が出来ません。電流ではなく電力(電圧×電流)容量で現すと、正しく比較出来ます。電力容量の単位はWH、W(ワット)は電力の単位です。一定の電流で放電する場合、電力容量=電流容量×平均電圧で計算出来ます。
 充電した電力が100%電池に蓄えられるのではなく損失がありますから、放電時の電力容量÷充電時の電力容量が充電効率(単位%)になります。

 充電電流や放電電流は、電池の容量によって最適値が異なりますから、電池の電流容量に対する比率で表すことが多く、単位はCが使われます。2000mAHの電池であれば、1C=2000mA、2C=4000mA、のような関係になります。ニッケル水素電池は、定電流で急速充電出来るので、1Cの電流で充電すれば約1時間で充電出来ます。リチウムイオン電池は、初期は定電流で充電しますが、上限電圧に達すると定電圧充電に切り替わり充電電流が次第に減少していきますから、満充電に達するまでもっと時間がかかります。
 
 電池の内部抵抗は小さい値なので、単位は、mΩ(ミリ・オーム)が使われます。単純には、解放電圧と、負荷電流を流した時の電圧の変化を電流値で割れば求まりそうですが、短時間に測定しないと電圧がどんどん下がってしまいます。正確に測るためには、電池に交流電流を流して、交流電圧分を検出して、その比率で求めます。